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慢性閉塞性肺疾患(COPD)

17.11.15

慢性閉塞性肺疾患(COPD)について

慢性閉塞性肺疾患(COPD)の概要・疫学

慢性閉塞性肺疾患(COPD:chronic obstructive pulmonary disease)は、以前慢性気管支炎や肺気腫と呼ばれてきた病気の総称です。

タバコ煙を主とする有害物質を長期に吸入曝露することで生じた肺の炎症性疾患であり、喫煙習慣を背景に中高年に発症する生活習慣病といえます。

タバコ煙を吸入することで気管支に炎症がおき、せきや痰などの症状が出現し、肺胞(はいほう)が破壊されて、酸素の取り込みや二酸化炭素を排出する機能が低下します。
これらの変化は、治療により元通りになることはありません。

我が国の疫学調査(NICE study 2001年)の結果では、40歳以上の人口の8.6%、約530万人の患者が存在すると推定されています。
しかし、大多数が未診断、未治療の状態と考えられています。

我が国の2010年度の死亡原因の9位、男性では7位であり、2004年の世界保健機関(WHO)の調査では、COPDは死因の第4位になっています。

慢性閉塞性肺疾患(COPD)の症状

歩行時や身体を動かした時に息切れを感じる労作時呼吸困難や慢性のせきやたんが特徴的な症状です。
一部の患者では、喘鳴や発作性呼吸困難などぜんそくの様な症状を合併する場合もあります。COPDは、肺だけに止まらず、全身性の炎症を生じます。

具体的には、骨格筋の機能障害、栄養障害、骨粗鬆症、代謝性疾患(糖尿病、メタボリックシンドロームなど)などにも関連しています。

慢性閉塞性肺疾患(COPD)の診断

長期の喫煙歴があり、慢性的ににせき、たん、動いた時の呼吸困難感があればCOPDが疑われます。

確定診断にはスパイロメトリーといわれる呼吸機能検査が必要です。
最大努力で呼出した時にはける全体量(努力性肺活量)とその時に最初の1秒間ではける量(1秒量)を測定し、その比率である1秒率(1秒量÷努力性肺活量)が気道の狭くなっている状態(閉塞性障害)の目安になります。

気管支拡張薬を吸入したあとも1秒率が70%未満であり、閉塞性障害をきたすその他の疾患(喘息など)を除外できればCOPDと診断されます。

慢性閉塞性肺疾患(COPD)の治療

禁煙が治療の基本となります。
気流閉塞(呼吸機能)の重症度だけでなく、症状の程度や増悪※の頻度を考慮し、治療法を徐々に増やしていきます。

薬物の中心は、効果や副作用の面から吸入薬が推奨されており、主として長時間気管支を拡張する吸入抗コリン薬や吸入β2刺激薬を使用します。

呼吸機能の低下が著しく、増悪を繰り返す場合は、吸入ステロイド薬を使用します。

非薬物療法では、呼吸リハビリテーション(口すぼめ呼吸や腹式呼吸などの呼吸訓練・運動療法・栄養療法など)が中心となります。
低酸素血症が進行してしまった場合には在宅酸素療法が導入されます。
さらに呼吸不全が進行した場合は、小型の人工呼吸器とマスクを用いて呼吸を助ける換気補助療法が行われることもあります。インフルエンザワクチン、肺炎球菌ワクチンの接種も勧められます。

※増悪:COPDの増悪とは、息切れの増加、咳や喀痰の増加などを認め、安定期の治療の変更あるいは追加が必要となる状態。増悪は、患者のQOLや呼吸機能を低下させ、生命予後を悪化させる。

LAMA:長時間作用性抗コリン薬、LABA:長時間作用性β2刺激薬

+:加えて行う治療

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